学習マンガ 江戸のふしぎ

江戸東京博物館 市川寛明先生

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マンガ/松本麻希

マンガ/松本麻希

市川先生の江戸解説―その14

私たちが住んでいる現代は、高度に発達した情報化社会といわれています。
何が高度なのか少し難しいのですが、インターネット、携帯電話などに代表される通信技術が発達し、個人のレベルで膨大な情報を瞬時に、世界中に伝えることが可能となった時代といったイメージでしょうか。

私たちは日々の生活のなかで、新聞やインターネットから実に多くの情報を得ていますが、それらの情報の対価としてお金を支払っています。またアメリカの穀倉地帯の収穫予想は、多くの会社の株価に重大な影響を与える情報として瞬時に世界中を駆け巡ります。世界各地の株価情報も瞬時のうちに国境を越えて広がっていきます。つまり情報は多くの富みをもたらす可能性をもった商品なのです。

ところで情報が商品となったのは何時のことでしょうか? これまでの常識では、情報が商品となったのは、通信技術が発達した近代以降のことだと考えられてきました。しかし、情報の商品化が始まったのは、通信手段があまり発達をしていなかった江戸時代のことなのです。

今回の学習マンガに登場した藤岡屋は、江戸時代の末期、現在の秋葉原付近にあった古本屋です。主人の名前は由蔵(よしぞう)。本屋由蔵を略して「本由」と呼ばれていました。由蔵は古本屋を経営するかたわら、せっせと町の噂話を収集し、それを顧客に販売し生計をたてていたのです。町の噂をかき集めて、それを売っていた由蔵は江戸でも有名人であったらしく、「本由は人の噂で飯を食い」といった川柳が生まれた程です。今でも有名人の噂が掲載された雑誌などが飛ぶように売れますが、人々の噂好きは今も昔もかわりません。

また領地の所在、石高、勤める役職、屋敷の場所など大名・旗本の基本データが一冊に網羅された「武鑑」も江戸時代ならではの情報商品といえるでしょう。当時はこの「武鑑」を必備しておきたいという需要が高かったらしく、「武鑑」はつねに最新情報を掲載した改定版が毎年のように売りだされる人気商品でした。それでも幕臣が集住する番町は道が細かく入り組み、「武鑑」に掲載された住所だけでは目的とする屋敷にたどり着けず、道に迷う人々が続発すると、今度は番町に住む荒物屋「近江屋」が自前の地図を発売し成功をおさめました。やがて有名な出版社がこの地図市場に参入し、今でも多くの人々を魅了する「切絵図」というカラー地図へと発展していきました。

それにしても情報の商品化の起源が江戸時代にあったことは驚きですね。江戸時代の発展ぶりはあなどれません。

プロフィール

市川寛明先生
江戸東京博物館学芸員

1964年、愛知県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。担当展覧会として『参勤交代』(1997年)、『大江戸 八百八町』(2003年)、『徳川将軍家』(2003年)、『新撰組』(2004年)。今年度人気を博した『坂本竜馬』展も手がける。編著に『図説 江戸の学び』(河出書房新社)、『一目でわかる江戸時代』(小学館)等。

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