学習マンガ 江戸のふしぎ

江戸東京博物館 市川寛明先生

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マンガ/松本麻希

市川先生の江戸解説―その8

今回は、江戸時代と明治以後の教育の違いについて解説しています。よく、日本教育史の流れを語るときに、“日本が近代化に成功したのは、江戸時代の教育がとても進んでいたからだ”という、寺子屋から明治以降の公教育制度への移行をストレートに結びつけた説明があります。

しかし、私は、今までのこうした説明は、一面的で不十分だと思っています。

近代的な教育制度を支えた思想は、寺子屋のおおらかな学びを支えた精神とは全く異質のものです。寺子屋よりもむしろ、下級武士たちの中にくすぶっていた能力主義を希求する精神のなかに、明治初期の教育改革を推し進めた教育思想の根本があります。身分制のもと、能力があってもそれを発揮できずに涙をのんでいた彼らが、身分制を否定し、“能力主義でなければこの国はもうやってきけない”と決断した結果、今までの支配層の地位に君臨してきた武士の身分的な特権を廃止し、新しい公教育制度を作ったのだと考えています。結果、教え込み型の一斉授業や猛烈な試験主義が導入され、子ども同士を競争させて優秀な人を増やすような教育に転換していったのです。

マンガでも触れていますが、江戸で使われていた教科書やカリキュラムは、百姓の息子なら農業に関したものを、魚屋の子なら商売に関したものをなど、一人ひとりで異なり、テストも他者との競争ではなく自分との戦いでした。江戸では他者と比較するという考え自体、あまりなかったようです。

今の教育のあり方を考えるとき、江戸時代の教育のあり方は、全く異質であるからこそ、現代における教育のあり方の特質を映し出す鏡となりうるのではないか、比較対象として他の時代や、他の国の教育制度を眺めてみると、現在の教育制度の特質が、いろいろと見えてくるのではないかと考えています。

プロフィール

市川寛明先生
江戸東京博物館学芸員

1964年、愛知県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。担当展覧会として『参勤交代』(1997年)、『大江戸 八百八町』(2003年)、『徳川将軍家』(2003年)、『新撰組』(2004年)。今年度人気を博した『坂本竜馬』展も手がける。編著に『図説 江戸の学び』(河出書房新社)、『一目でわかる江戸時代』(小学館)等。

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