学習マンガ 江戸のふしぎ

江戸東京博物館 市川寛明先生

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マンガ/松本麻希

マンガ/松本麻希

市川先生の江戸解説―その12

この回は江戸の本屋の話です。マンガでも解説したように、江戸時代の本屋には、書物問屋と地本問屋の区別がありました。この両者のうち、江戸の本屋の特徴をあらわしているのはなんといっても地本問屋です。江戸時代の前期、本屋といえば漢籍や仏典などそれまでの伝統的で高尚な内容を取り扱う書物問屋のことでした。しかし、江戸時代前期を通じて庶民の識字率や購買力が高まった結果、庶民の求める内容を木版画の技術を駆使して板行する地本問屋の成立、やがて地本問屋へと発展していきました。

地本問屋を取り扱う浄瑠璃本・草双紙・浮世絵などはまさに庶民が求める印刷物で、庶民に売るために出版されたものばかりです。地本問屋は売れる本や錦絵を企画し、出版することを考え、面白さと美しさに磨きをかけていきました。江戸時代、出版業が市場のメカニズムに乗ることで洗練されていったのです。地本問屋の存在は、江戸時代の庶民の知的な好奇心と経済力の高まりを反映する存在であったというわけです。

地本問屋は庶民が求める面白い作品を出版しようとしました。作者は自らの才知をしぼって面白い作品を作り出そうとします。そうした志向のなかで生み出されてきたのが幕府の政治を笑い飛ばした大人の絵本、黄表紙でした。教科書にも載っている明誠堂喜三二「文武二道万石通」は喜多川歌麿の挿絵を得て前代未聞の売り上げを記録し、その成功をうけて出版された恋川春町「鸚鵡返文武二道」も大いに売れました。これらの作品は、時事的なネタを折り込んで面白おかしく幕府の政治を批判しており、今読んでも思わず笑ってしまいます。

これらの作品については、いろいろな解説本も出ており、簡単に鑑賞することができます。百聞は一見にしかずといいますから、是非一度チャレンジしてみてください。江戸時代の諷刺精神の高さを感じることができると思います。


※書物や文書などを印刷して発行すること

プロフィール

市川寛明先生
江戸東京博物館学芸員

1964年、愛知県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。担当展覧会として『参勤交代』(1997年)、『大江戸 八百八町』(2003年)、『徳川将軍家』(2003年)、『新撰組』(2004年)。今年度人気を博した『坂本竜馬』展も手がける。編著に『図説 江戸の学び』(河出書房新社)、『一目でわかる江戸時代』(小学館)等。

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