「先生、こっち見て!」〜子どもからのメッセージ 塾も学校も、教師は同じ

教師としての叱り方・ほめ方~その2vol.14

第14回:教師としての叱り方・ほめ方~その2

「人を育てる」と言う立場にいる者にとって、「ほめる・叱る」は、避けて通れません。そこで、教師としてのほめ方・叱り方とはいったいどうあるべきなのか、前回の「叱り方」に続き、今回は「ほめ方」について、考えていきたいと思います。


その2:ほめ方~「心に残る」学びにつなげるほめ方とは

「ほめて伸ばす」というと、しばしば良い教育の代名詞のように使われることがあります。確かに、ほめられて、すくすくと伸びていければ、子どもも教師も快適な毎日であることは間違いないでしょう。しかし、叱られたことは心に残ることが多いのに対し、ほめられたことは、その場の喜びで終わってしまうことが少なくありません。叱り方と同じように心に残る教育的効果を生むようなほめ方をするのは、簡単ではないのです。私が教師生活の中で効果的だと感じたほめ方はいくつかあります。

1. 一緒に喜ぶことが、最大のほめ言葉

「ヤッター!」子どもが何度も努力してやっとできた場面に遭遇した時は、どうほめるかなんてことは一切考えずに、まずは一緒に躍り上がって喜びを表現しましょう。これは、どんな言葉にも勝る賞賛です。

2. 人前でほめる効果と、そっとほめる効果

ほめるには、叱ることにもまして、その子の個性・性格を熟知しておくことが必要です。たとえば、「みんなに見せたい、言いたいけれど、自分からはちょっと勇気がいる」としり込みしている子を見て取ったら、「すごい、見て見て、○○さんのよ」と紹介し、「アイディアもいいし、丁寧で感心しました」などと言葉を添えて、みんなに紹介してあげる。また、「○○さんの考え聞きたいな、何かい意見があるようよ」と、意見を引き出す場作りになる発言をしたり、「今まで、誰も考え付かなかったね、○○さんの意見もとにしたら、面白いこと出来そうね、アイディアマンだなー」などと、みんなの前に意見を引き出したりすると、次の活動に元気を与える効果的な賞賛となります。

また、一人で、コツコツ積み上げて向上することに喜びをもっている子には、机間巡視した時に、ほめ箇所を指して、アイコンタクトで教師の驚きと賞賛の視線を贈るだけでも、十分ほめる効果を発揮します。「すごい!沢山きれいにできてるね。もう一回回ってくるのが楽しみだな」などと小声でささやき、肩をたたいたり握手をするなどスキンシップをはかるのもよいでしょう。どちらも、「先生と私だけの秘密」と言った楽しい気持ちが加わって、とても効果を発揮します。

3. 子どもの言動を価値づけたり、意義付けたりするほめ言葉

発言したり、見つけたりしたことが、評価されるべきことだと本人が気付いていないことがよくあります。そんな時は「すごい、先生も気付かなかった、考え付かなかった」と、その価値や意義を説明する言葉を添えて、みんなの前でほめると、自分でも気が付かなかった新たな視点へと、学習を広げる効果が生まれます。

4. 子ども自身が思っていないところをほめると逆効果

ほめることを無理に探していると、「そんなことほめられても、前は、もっとできてたのに…」と、かえって子どもを傷つけてしまうことがあります。子どもが、ほめられどころだと思っていないところをほめるのは、逆効果なのです。子どもが「ほめられて嬉しい」と思えるほめどころが見つからなければ、無理にほめ言葉をかける必要はありません。

以上、ほめ方について4つのポイントを挙げてきましたが、共通するのは、「いかに子どもをしっかり見ていることが大切か」ということだと思います。そして、このことは前回お話した「叱り方」にも全く同じことが言えます。「ほめる」も「叱る」もその根っこは「子ども理解」なのです。

子どもは、ほめられることは好き、でも、叱られることも嫌ってはいません。どちらにしても、「先生、私を見て。こっち向いて」と、私たちの眼差しを求めているのです。

「ほめる」「叱る」は、教師の本気度が出てしまう瞬間。だからこそ、真剣にほめ、本気で叱ること――教師としての叱り方・ほめ方はそのことに尽きるのではないでしょうか。

プロフィール

丹伊田弓子(にいだゆみこ)先生
元川口短期大学こども学科教授
東京学芸大学・川口短期大学非常勤講師

東京学芸大学・同大学院卒。東京都の公立小学校教諭として勤務し、生活科カリキュラムの制定に携わる。2012年3月、川口短期大学教授を退任。現在、東京学芸大学・川口短期大学非常勤講師。日々、教職を目指す学生の指導にあたる。

「塾と学校とでは役割は異なりますが、子どもの学びという現場では、塾も学校も同じ。先生の役割も責任も同じだと私は思っています。小学校の教師として34年、その後大学教師としてたくさんの子どもたちに接してきました。その経験を通して学校の先生は子どもとどう向き合っているのかを感じていただき日々の指導の参考にしていただければと願っています。」

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