塾業界コラム

一流講師の条件とは<私塾界調べ>

学習塾の海外進出について

少子化、円高云々、家計の圧迫が直接業績に響く教育産業にとっては、ますます厳しさをます今日、この頃。しかし、視野をアジアに広げると、その勢いに世界の注目が集まっています。世界トップレベルといわれる日本の教育サービスをどう展開していくのか。学習塾の海外進出について私塾界の山田副社長が語ります。

日本は少子化でもアジアの市場は今後10年で倍増する

日本国内は少子化、不況。学習塾産業は飽和状態といえるでしょう。しかし、視野を広げてみれば、元気なアジア諸国がたくさんあります。

今後アジア諸国がこのまま経済成長を成し遂げれば、かつての日本のように教育熱が高まり、民間教育サービスに対するニーズも高まることが予測されます。中国、インド、インドネシア……市場規模は日本の数十倍になります。

10月16日付け日本経済新聞朝刊によると、「日本を除くアジアの中・高所得層は今後10年でほぼ倍増し19億人を超える。これに伴い生活必需品だけでなく生活を豊かにする各種サービスの需要が高まるとみられている」とのこと。

マルチメディア教育を行う株式会社デジタルハリウッドはつい最近海外進出を果たしました。舞台は上海です。上海音楽学院に学部を設立する形です。今後は韓国、タイ、マレーシア、パリ、ロサンゼルスに進出予定とのことです。マルチメディアというもともと国籍がボーダレスな領域ですから、海外進出もしやすいのでしょう。

日本の多くの産業が今、外向きの営業にシフトしているように、学習塾産業も海外に市場を求める時期にやってきているのかもしれません。

ただし、教育は文化。異文化において教育を行うことは簡単なことではないでしょう。

学習に対するスタンス、民間教育サービスに対する期待、そもそも教育の目的など、日本の事情とはだいぶ違うでしょう。日本の普通の学習塾のしくみをそのまま持ち込んでもなかなか通用しないのではないかと思われます。

海外進出の草分けは公文とベネッセ

日本の民間教育サービスが海外進出した例を見てみましょう。これまで海外に進出して成功している日本の教育関連企業といえば、真っ先に挙げられるのは公文でしょう。

1974年にニューヨークで教室をオープンしました。もともとは海外在住の指導者が現地の日本人を相手に公文式を指導したいと申し出たことに始まります。そのうち、現地の指導者が現地の子どもたちを指導するために、教材をローカライズさせてもらえないかということになりました。

その後、アメリカのある学校で公文式を採用し、学力が向上したということがアメリカのテレビで放映され、一大ブームに。今では北米公文、南米公文、アジア・オセアニア公文、中国公文、ヨーロッパ・アフリカ公文と海外支社が5つ。海外に7800教室、275万人の会員を抱えています。

公文式の場合、教材は無学年のプリント形式。学校のシステムが違っても、そのまま使うことができます。集団授業という形式ではなく、自学自習というスタイルも、海外進出に適していたのではないかと思います。

もうひとつ。ベネッセが挙げられます。

ベネッセの海外進出は1989年台湾で。その後韓国、中国にも進出し、会員数は中国で22万人、韓国で13万人、台湾で17万人に上っています(2010年4月データ)。

さらに、インドネシアで英語の幼児向け教材の販売を検討しています。今後は英語を母国語とする市場も開拓する方針で、教材の開発に着手しているとのこと。

ベネッセは十八番の通信教育という形式での展開です。毎月ハイクオリティな教材が届く。添削指導も丁寧。その仕組みが受け入れられたのではないかと思います。

以前私塾界でベネッセを取材したときには「日本の教育サービスは丁寧で、どこへ行ってもウケがいい」とのコメントを聞きました。

日本の教育商品は世界トップレベルなのではないでしょうか。

明確にパッケージ化された商品が海外進出に向いている

「東進ハイスクール」を運営するナガセは年内にも上海で子ども向け英語教室を開設するとのこと。3~12歳を対象とする英語教室「東進こども英語塾」を、現地企業にライセンスを供与する方式で展開します。東南アジアへの進出も検討するとのこと。

市進ホールディングスは日本語学校の「江戸カルチャーセンター」(東京・港)を買収しました。同センターのノウハウを生かして海外に日本語教室を開く目算です。主に日本の大学への留学を目指す高校生が対象。東南アジアや中東で候補地を探しており、来年にも第1号の教室を開設するとのこと。

例えば福岡を拠点とする個別指導塾、株式会社スタンダードカンパニーは、2011年香港に現地法人を立ち上げ、個別指導教室を展開予定です。香港だけではなく、アジア各国への進出を検討しているようです。個別指導塾であるということがポイントでしょう。

逆輸入の事例も紹介します。

たとえば、株式会社EVANが販売する小学生向け英語個別指導教室「LEPTON」はもともと小学生英語先進国・韓国で「Engloo」という名称で展開されていたもの。日本用にローカライズされています。

これらの事例に共通することは、商品が明確にパッケージ化されていること。サービス提供が属人的でないことが挙げられると思います。もともと汎用性が高いのです。これが文化の壁を乗り越える最大のポイントではないでしょうか。

学研にはすでに世界有数の教育コンテンツがあります。

学研教室があります。個別指導塾や家庭教師派遣の仕組みもあります。教育クラウド構想があるかと思います。

海外進出までも視野に入れた教育クラウド設計を行えば、投資価値は数十倍にもなるのではないでしょうか。

文責:私塾界/全国私塾情報センター 副社長 山田未知之

プロフィール

山田未知之(やまだみちゆき)

私塾界/全国私塾情報センター 副社長

1977年、埼玉県生まれ。2010年より塾業界唯一の情報誌『月刊私塾界』を発行する株式会社私塾界の副社長を務める。同社は、1981年の創刊以来、全国の学習塾経営のサポート役として経営情報の提供やセミナーの開催、コンサルティング業務や進学資料の提供などを行っている。2011年には、わが子に合った塾選びのための情報サイト『塾図鑑』を立ち上げるため、バウンス株式会社を設立した。

ホームページ http://www.shijyukukai.jp/

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