塾業界コラム

一流講師の条件とは<私塾界調べ>

学習塾とソーシャルメディア

ネットの普及によって、巨大な影響を持つようになった口コミ。口コミ力がいかんなく発揮されるソーシャルメディアをいかに活用するかは、どの塾・教室にとっても課題となっています。学習塾にとって効果的なソーシャルメディアの活用法について、山田副社長からの提言は……。

中学入試や高校入試の結果が続々と判明するこの時期、受験を控えた子どもを持つ保護者の間では、「どこの塾がいいらしいわよ」「あそこはもうダメって噂よ」などと、過激なクチコミが流布します。

かつては地域ごとのクチコミだけで収まっていたのでしょう。しかし、昨今、ネットの普及によって、クチコミは巨大な影響を持つようになっています。マーケティング手法においても、いかに「シェア」されるかが、重要だといわれるようになってきました。

しかし、塾についての情報交換がされる掲示板などを見ていると、何とも言えない違和感を感じます。あくまでも、「誰か」にとって、「この塾はいいよ」「この塾は悪いよ」ということが、一般化されて議論されてしまうのです。A君にとってはいい塾かもしれないけど、B君にとってはいい塾ではないということがあるはずです。A君とB君の違いは、もともとの学力の違いであったり、性格の違いであったり、通塾の目的の違いであったり、家庭の事情の違いであったり、変数的要素は様々あるわけです。でも、匿名メディアにおける評判は、どんな背景を持つ人が発信しているのかの裏付けなしに、発言だけが一人歩きをし始めます。ソーシャルメディアの危険な側面です。

しかし、悪いことばかりではありません。大手の大規模な広告宣伝に埋もれてしまう個性的な中小塾や個人塾でも、良い評判がシェアされれば、ほとんどお金をかけずに集客することも可能です。

では、学習塾として、どのようにソーシャルメディアを活用するのが良いか。ソーシャルネットワークサービスの現状に詳しく、自身の娘が中学受験を終えたばかりという、株式会社ウィズグループの奥田浩美代表を尋ねました。

名前は要らないとしても、発言者の立場や経歴や思想もわからないまま、良い、悪いの議論が行われるのがこれまでのソーシャルメディアでした。声の大きい人の意見が支配する世界です。一度状況が固定されてしまうと、反対意見は言いたくても言えない。民主主義とはほど遠い世界なのですね。

これでは自分にとって本当に有益な情報かどうかの判断が付かないという、もどかしさがありました。家電選びなどはそれでもさほど問題にはなりません。いろいろな意見を参考に、カタログのスペックを見比べたり、店頭で実際に触って確認したり。極端な話し、買ってみて失敗だと思っても、失うのは数万円のお金だけですから。

しかし、子どもの将来がかかった塾選びとなると話は別です。下手したら家を買うよりも重大な決断です。自分たちのニーズを性格に分析し、それにあった塾を選ぶ必要があります。だから、他人の意見を参考にするといっても、その人が、自分と似たような背景を持っていることが前提にならないと意味がないのです。その意味で、フェイスブックのような実名性の高いメディアの出現は塾を選ぶ側にとって、プラスになります。

ただし、フェイスブックの中で塾の情報のやりとりをするというイメージは、今のところありませんね。発言者のある程度のバックグランドや教育に対するスタンスがわかるようなプロフィールがわかる情報交換の場が必要になるでしょう。発言者のその他の発言の履歴も追えるようになっているといいですね。

塾側としては、ソーシャルメディアを活用することで、お金をかけずにリアルタイムに塾の中の空気感を伝えることができます。ぜひ教室のブログは開設してほしい。先生の顔が見えることは塾選びをする上でとても大切です。欲を言えば、クラス単位でのブログがほしい。

多く塾では御三家などトップクラスの実績やそういう所を目指すための情報ばかりをアピールしますが、トップ層は氷山の一角のようなごく一部しかいないわけです。そのほかの大部分の人は、それ以外のところの情報を欲しているのです。なのに、その情報が足りないのです。

だから、合っていない塾に通ってしまうという悲劇も起こる。折り込みチラシなどでは目立つ実績を掲げざるを得ないでしょうが、それではカバーしきれない情報をネットを通じて発信すべきです。
それもリアルタイムに講師の息づかいが伝わるように、ソーシャルメディアを活用すべきです。

何から何まで情報を公開する実名主義が必ずしもいいとは思いません。しかし、お互いに顔というか、背負っているものが見えるソーシャルメディアが誕生すれば、塾選びは大きく変化するのではないかと考えています。

今のところ、奥田さんの言うような透明性の高い塾選びのメディアはありません。しかし、mixi、2ch、その他教育関連掲示板の数々で、塾選びは大きなトピックになっています。これらが何らかの形で集約されていくことは十分に考えられます。

ITがもたらす塾業界への影響は、デジタル教材やクラウドサービスの出現よりも先に、クチコミマーケティング力の拡大という形で現れるかもしれません。

文責:私塾界/全国私塾情報センター 副社長 山田未知之

プロフィール

山田未知之(やまだみちゆき)

私塾界/全国私塾情報センター 副社長

1977年、埼玉県生まれ。2010年より塾業界唯一の情報誌『月刊私塾界』を発行する株式会社私塾界の副社長を務める。同社は、1981年の創刊以来、全国の学習塾経営のサポート役として経営情報の提供やセミナーの開催、コンサルティング業務や進学資料の提供などを行っている。2011年には、わが子に合った塾選びのための情報サイト『塾図鑑』を立ち上げるため、バウンス株式会社を設立した。

ホームページ http://www.shijyukukai.jp/

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