塾業界コラム

一流講師の条件とは<私塾界調べ>

2012年度中学入試動向について

今回は、2012年度の中学入試動向についての総括です。新学期に入り、すでに2013年度の入試はスタートしています。2012年度の結果をどう指導に反映させ、どう塾の特色を出していくのか。山田副社長が語ります。

学校を絞り込む傾向が鮮明に

予想通り、中学受験者は減少しました。

森上教育研究所のデータによれば、一都三県の公立商学卒業予定者数に対する2月1日の受験者数は12.7%です。平成20年度の14.8%を頂点として四年連続の下落となりました。

○中学受験比率(2012年2月1日巡検者数÷一都三県公立小学生×100)

また、併願入試回数は減ってはいないものの、例えば、2月1日も、2日も、3日も同じ学校を受験するというように、受
験する学校を絞り込む傾向が強まっていると言われています。

合格しても通う可能性のない学校は最初から受験しないという、本来あるべき姿に戻ったと言えるでしょう。

大学附属校は高校受験にシフトか

まずは、学校側の状況を見てみましょう。一番に挙げられるのは、大学附属校の人気停滞です。

早稲田高等学院中学部、早稲田実業中等部がそれぞれ前年比12.4%減、14%減。慶應普通部、慶應湘南藤沢中等部は10〜15%の減少といわれています。中大附属、明大明治などの人気校でも軒並み受験者数が下落しています。

附属校であれば高校からも入学できます。高校から入る方が入りやすいし、都立併願も可能。

そして、長引く不況の折、私立の学費を支払うのを3年間でも後倒ししたい保護者の懐事情もあるのでしょう。

男子受験生に安全志向が蔓延

関西では、灘が過去最高の600名の受験者を数え、東大寺学園も昨対20%増、西大和は昨対45%と、難関校で受験者が増えています。

関東でも、桜蔭は約17%の増、開成も微増と、トップ校は相変わらずの人気。そんな中、麻布の約16%減は目立ちました。

何があったのでしょうか。競合する駒東が約100名増やし15%増となったこと、そして神奈川の受験者数が減少したことが背景にあるとされています。

ある大手進学塾担当者は「今年は男子に安全志向が蔓延した」と嘆きます。そのせいで、昨年度入試で駒東の実売率が2.2倍で、麻布が2.6%であったことから、安全志向が働き、駒東に流れたのではというのです。

同様に、慶應や早稲田の系属校も、受験者の安全志向により、高倍率が敬遠されたのではないかという見方があります。

私立受験者の公立中高一貫校併願が増加

興味深い動きを見せたのが公立中高一貫校です。サピックスが合格者を伸ばしました。

これは何を意味するのでしょうか。

サピックスが公立中高一貫校対策をしたわけではありません。私立受験者による併願が増え、合格を奪っていることを示唆しているのです。この流れも今後注目されます。

東はサピックス、西は浜学園が、それぞれ独走

次に、塾側の状況を見てみましょう。サピックスは2年連続で開成200人超えを果たしました。2位の日能研との差は開くばかり。開成、麻布、駒東、栄光、桜蔭、女子学院でダブルスコアとなりました。

関西では浜学園が灘に91名と一人勝ち。希学園は35名とここ数年灘への合格者は減少傾向にある。関西に進出したばかりのサピックスは12名と新天地で善戦しました。

今後、関西でもサピックスが躍進する可能性は十分にあるでしょう。

○首都圏有力塾 難関中学合格実績速報 (2012/2/23 10時現在)
  サピックス
小学部
日能研 四谷大塚 早稲田
アカデミー
市進学院 栄光
ゼミナール
TOMAS 啓進塾 啓明舎 川崎
予備校
CG
啓明館
キャップ 希学園 エデュコ
開成 229

93

78 70 16 10 14     2        
麻布 183 87 65 49 6 23 16 22           1
武蔵 32 58 49 57 6 20 10             1
桜蔭 150 37 54 43 12 7 7              
女子学院 115 55 53 61 8 14 16             1
雙葉 54 31 18 24 4 3 4             1
駒場東邦 135 71 44 37 3 5 13             1
栄光学園 150 70 30 28 5 8 12 18   5        
聖光学院 187 74 54 41 7 5 17 23   4       3
海城 184 95 111 71 23 26 32             1
巣鴨 138 98 75 63 30 24 20 1            
桐朋 36 78 34 28 19 8 11              
慶應(普) 92 37 30 47 0 5 15 1   1        
早稲田実業 34 34 56 76 10 10 8     1        
フェリス 53 96 22 19 1 2 3 16   3        
早稲田 157 131 136 132 26 14 22     1       1
早高院 57 17 38 68 2 1 4              
  サピックス
小学部
日能研 四谷大塚 早稲田
アカデミー
市進学院 栄光
ゼミナール
TOMAS 啓進塾 啓明舎 川崎
予備校
CG
啓明館
キャップ 希学園 エデュコ

超難関校合格者数だけではわからない塾の強み

ここでちょっと冷静になりたいと思います。

中学入試の結果を見ると、どうしても御三家だの灘だのという超難関校に何人合格したかという話題が中心になってしまうのですが、超難関校に通えるのはごく一握りの生徒のみです。

大半の子どもたちはそれ以外の「自分に合った」学校を見つけるのです。生徒達がどれだけ「納得のできる合格」を手にすることができたかが、本来、塾の価値になるはずです。

それなのに、開成に200名入れた塾に、あらゆるレベルの生徒が大挙してしまうのには、ミスマッチを感じます。偏差値50あたりの「納得のできる合格」を目指す子には、そのための指導というものがあるはずです。それがなかなか伝えられないもどかしさが業界全体にあるのではないでしょうか。

前回はソーシャルネットワークを活用して、数字では表せない塾の魅力を表現することを提案しましたが、まさしく超難関校合格者数だけでは表現できない塾の強みをどう表現するかが、今後の中学受験マーケットの課題となるでしょう。

文責:私塾界/全国私塾情報センター 副社長 山田未知之

プロフィール

山田未知之(やまだみちゆき)

私塾界/全国私塾情報センター 副社長

1977年、埼玉県生まれ。2010年より塾業界唯一の情報誌『月刊私塾界』を発行する株式会社私塾界の副社長を務める。同社は、1981年の創刊以来、全国の学習塾経営のサポート役として経営情報の提供やセミナーの開催、コンサルティング業務や進学資料の提供などを行っている。2011年には、わが子に合った塾選びのための情報サイト『塾図鑑』を立ち上げるため、バウンス株式会社を設立した。

ホームページ http://www.shijyukukai.jp/

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