塾業界コラム

一流講師の条件とは<私塾界調べ>

公立中高一貫校の今後

今、公立中高一貫校がHOTです。この春、初の大学入試を迎え、東大合格者を初年度から出すという実績に、これまでの人気にますます拍車がかかることは必至。各塾は高まる公立中高一貫校の人気に対し、どうアプローチをしかけていくのか。私塾界の山田副社長が語ります。

公立中高一貫校はやっぱりすごい!?

2012年の東大合格者が発表されたとき注目されていたのが、都立中高一貫校がどれだけの実績を残すかということでした。

結果は桜修館と小石川が4名ずつ、昨年5名の合格者を出した白鷗と両国が3名ずつという出来でした。これを多いと見るのか少ないと見るのか、反応は分かれましたが、私は多いと思いました。白鷗以外は、初めて卒業生を送り出すことになります。初年度で東大3名、4名というのは、一般的な私立の新設校では大変難しいことです。

GWをはさんで、「週刊東洋経済」と「週刊ダイヤモンド」で、立て続けに中高一貫校ランキング特集が組まれていました。いずれの特集にも、公立中高一貫校についての記事が大きく取り上げられていました。それぞれ「私立並みの教育方針と合格実績で高まる人気」、「躍進!公立中高一貫校」というタイトルです。

これまではまだ、「タダだから」と、先物買い的な人気先行の様相がありましたが、それなりの実績を出したことにより、特に首都圏では「公立中高一貫校はやっぱりすごい!」という評価がますます定着するのは間違いないでしょう。

もともとずば抜けてよくできる子がいただけ!?

しかし、小誌『月刊私塾界』6月号には、鋭い指摘をを掲載しました。

「公立中高一貫校の受験指導は本物か?」というタイトルで、某個人塾の塾長が、都立中高一貫校に通う教え子からの情報を交え、持論を展開しています。
引用します。

東大に合格した生徒は学校内では「ずば抜けてよくできていた」という点です。小石川も桜修館も両国も、概して白鷗同様の傾向だったことがわかっています。また、学校内の定期試験や実力試験の結果分布を塾生から見せてもらうと、正規分布になってはいるものの、上位数名がまさにずば抜けていることがあきらかにわかります。

とのことです。

要するに、もともとずば抜けて頭のいい子が入学していて、その子たちが合格しただけではないかという指摘です。つまり学校の指導力のたまものではなさそうだということです。

たしかに振り返ってみれば、6年前、これらの公立中高一貫校の実質倍率というと・・・。
小石川 9.8倍
桜修館 6.3倍
両国 7.7倍

さきほど、一般的な私立の中高一貫校では初年度から東大合格者を出すのは難しいと言いましたが、初年度入試からこんなに高倍率を記録する私立中高一貫校も珍しいでしょう。

そして、学費が無料であるがゆえ、高いレベルの学校を蹴って合えて公立中高一貫校に入学した生徒が、一般の私立中高一貫校よりも高い確率で出現していることも容易に想像できます。一般的な私立に比べて、スタートの時点で圧倒的に有利な状況にあったのです。

適性検査は、私立併願者に有利になっていく!?

この塾長はさらに、東洋経済の中で、「進学レーダー」の編集長が「(公立中高一貫校が出題する適性検査問題の)内容は、年々選抜試験に近づいてきている」コメントしているのを引用し、「入学者の選抜精度を高めようとしているは明かです」としています。つまり、今後ももともと「ずば抜けて出来のいい子」を囲い込むことで大学合格実績を上げようとしているのではないかと指摘しているのです。

そうなると、私立併願者に有利です。実際、この数年SAPIXは公立中高一貫校の合格者を増やしています。公立中高一貫校対策などまったくしていないのに、です。

そのほか、「公立中高一貫校対策は可能である」とうたう塾では、30%以上の合格率をはじき出しているところが複数あります。公立中高一貫校の平均的な倍率を約7倍とすると、合格率は14.3%ということになりますから、塾で対策をすることで、合格の可能性は倍以上になるのです。

これをもっとアピールしない手はないのではないでしょうか。

東京都だけでなく、全国の公立中高一貫校から東大合格者が出ています。静岡県立浜松西が6名でトップ、次いで長崎県立佐世保北が5名。先の都立2校を含め、4名の合格者を出している公立中高一貫校は5校あります。

○首都圏有力塾 難関中学合格実績速報 (2012/2/23 10時現在)
人数 学校名
6名 静岡県立浜松西中学校・高等学校
5名 長崎県立佐世保北中学校・高等学校
4名 東京都立小石川中等教育学校
東京都立桜修館中等教育学校
山梨県北杜市立甲陸中学校・高等学校
京都市立西京高等学校附属中学校・高等学校
岡山県立岡山操山中学校・高等学校
3名 東京都立白鴎高等学校附属中学校・高等学校
東京都立両国高等学校附属中学校・高等学校
1名 新潟県立柏崎翔洋中等教育学校
新潟県立津南中等教育学校
石川県立金沢錦丘中学校・高等学校
滋賀県立守山中学校・高等学校
京都府立洛北高等学校附属中学校・高等学校
広島県福山市立福山中学校・高等学校
広島県立広島中学校・高等学校
愛媛県立松山西中等教育学校
長崎県立長崎東中学校・高等学校
鹿児島市立鹿児島玉龍中学校・高等学校
※中高一貫校の卒業生を出した学校のみで、合格者には高校からの入学組が含まれる。

私立受験者の公立中高一貫校併願が増加

もともと中学受験文化のない地方においても、新しいマーケットとしての需要がますます期待できそうです。小学生部門を設置する塾ではもちろんすでに対策を講じていることでしょう。

さらに、学研教室で対策を行うことは難しいのでしょうか? 通常の指導に、作文講座を追加するとか・・・。

そう単純には行かないのでしょうけれど、学研塾ホールディングスの進学塾の受験ノウハウを最大限に活用すれば、学研教室をプラットフォームとした、新しい公立中高一貫校対策も可能なのではないかと、部外者の妄想は膨らみます。

文責:私塾界/全国私塾情報センター 副社長 山田未知之

プロフィール

山田未知之(やまだみちゆき)

私塾界/全国私塾情報センター 副社長

1977年、埼玉県生まれ。2010年より塾業界唯一の情報誌『月刊私塾界』を発行する株式会社私塾界の副社長を務める。同社は、1981年の創刊以来、全国の学習塾経営のサポート役として経営情報の提供やセミナーの開催、コンサルティング業務や進学資料の提供などを行っている。2011年には、わが子に合った塾選びのための情報サイト『塾図鑑』を立ち上げるため、バウンス株式会社を設立した。

ホームページ http://www.shijyukukai.jp/

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