塾業界コラム

一流講師の条件とは<私塾界調べ>

学校6日制の復活は、塾にとって光明か

今年1月、下村文科相が打ち出した「学校6日制」。学力の向上を謳い見直された新・学習指導要領により、必然的に増加した授業時間・内容への対応がその主な目的です。全体的な潮流としては、「その是非を論じる時期は過ぎた」といった感じでしょうか。遅かれ早かれ学校6日制は再導入されるだろうとの見方が強く、塾にもそこへの順応が求められて来そうです。考えられる対応策について山田社長が語ります。

軒並み肯定的論調が目立つ

そもそも世間では、この学校6日制についてどのような意見が多いのでしょうか。日本経済新聞が20歳以上の男女1,030人に実施した調査によると、6日制に「賛成・どちらかといえば賛成」と答えた人は全体の74%。「反対・どちらかといえば反対」の18%を大きく上回る結果となりました。

その主な理由としては、賛成派が「週5日では授業時間が足りない」「(週6日を実施してきた)私立と公立の差が縮まる」「自分たちが子どもの頃は週6日だった」。反対派が「家族のだんらん時間が減る」「社会では週休2日が主流だ」「6日制にすれば学力が上がるという根拠がない」といったもの。賛否両論あるのは事実ですが、大勢としては概ね好意的に捉えられているようです。

また、主に保護者層を対象とした別の調査では、8割以上が週6日制に賛成というデータも出ています。このことからも、週6日制は現実のものになる前提で、それを見据えた塾の在り方を考えるべきではないかと思います。

土曜授業の中に、塾の活躍の場アリ!?

では、週6日制が復活したとして、塾にどのような影響が考えられるでしょうか。ひとつには、時間割などの枠組み変更があります。もう少し詳しく言えば「どの曜日に授業のボリュームを割くか」「休日はいつなのか」といったところに影響が出るでしょう。現在、塾の多くは日曜日、もしくは日・月曜日を休講とし、土曜は午後からきっちり授業を入れて……という教室が多いのではないでしょうか。すると考えられるのは、土曜に設定していた授業を分散させるか、思い切って塾も休みにしてしまうか。しかしそういったことはさほど大きな問題ではないでしょう。面倒ではありますが、いかようにも対応できるはずです。

それよりも、ぜひ注目したい情報がひとつあります。週6日制が実施された場合、土曜日に学校でどのような授業や活動を行うべきかという議論です。読売新聞の報道によると、義家弘介政務官をトップとする、学校6日制検討チームの会合で、土曜授業に「道徳」「総合的な学習」の授業を回し、平日に教科授業を充実させる案を軸に実現を目指す方針が示されたとのこと。早ければ、来年春には各自治体の判断でそれを行えるよう、省令を改正するそうです。

現状の省令では土曜日は「学校は休業日」と定められていますが、例外的に「特別の必要がある場合」に限って土曜授業が認められています。そのため、運動会や講演などのイベントごとが行われることが多いのです。そこでその省令を改正して、土曜授業を「特別の必要がある場合」に限定せず、そこに上記の道徳や総合的な学習の時間に充てようというわけですね。私はここに、塾の活躍の場があるのではないかと見ています。

自治体・公立校との連携で塾のノウハウを活かす

杉並区の和田中学校が行った「土テラ(土曜日寺子屋)」の活動をご存知でしょうか。補講や学習支援として塾の力を借り、その指導ノウハウを活用するといったものでした。土テラ以外にも、同中学では「夜スペ(夜のスペシャル授業)」などが有名ですね。次々に公立校での教育の在り方を改革し、民間や地域の力を公立校に活かす、いわゆる「和田中方式」という概念を生み出しました。

他にも足立区では、経済的事情から塾に通えない成績上位層の子どもたちを対象にした課外授業を、塾の講師派遣で対応するプロジェクトが動き出しています。さらに、公立中高一貫校の自習室運営を受託する、といった動きも。少し横道にそれますが、葛飾区では公立校教員への教務ノウハウ提供いったコンサル事業にも塾が参入しています。

これらの動きに対し、一部に「公立校が実質上の塾への利益供与、生徒の勧誘を行っている」との指摘もあるのは事実です。しかしここで注目すべきは、公立校や自治体が民間企業とともに教育を実施しようとした姿勢。こういったコラボレーションを土曜授業の中に盛り込むよう、塾側からも働きかけていけば、様々な可能性が見えるはずなのです。6日制の導入には、教員の業務キャパオーバーを懸念する声も多数あります。そこをフォローする形で、塾ならではの教育を提供できると面白いですね。

地域貢献という、塾の本懐を念頭に

これを塾の立場で考えると、当然「採算は取れるのか」という心配があるでしょう。無理もありません。これらは有償のものもあれば、完全にボランティア活動に近いものもあります。「無料でウチの優秀な講師を派遣するくらいなら、初めから自塾へ通ってくれたほうがいい」というご意見ももっともです。

しかし、これらの事例に言えるのは「自治体や地方行政との協力による地域貢献」という観点での教育サポートであること。社会貢献・地域貢献の観点からも非常に意義のある行為です。また塾が本来、地域密着型ビジネスであることを考えると、たとえ無償やボランティア同然の報酬であっても、そこでできるブランディングや認知の影響はかなり強いでしょう。「生徒獲得のためにやる」というヨコシマな考えはどうかと思いますが、広告費としての費用対効果で考えても、そこにかける人件費・教材費は、決して高くはないはずです。

学校6日制になるからこそ、そこに生まれるビジネスチャンスも多いはず。ぜひ、地域との連携や貢献を念頭に、この動きを貴塾に活かしてみてはいかがでしょうか。

文責:私塾界/全国私塾情報センター 代表取締役社長 山田未知之

プロフィール

山田未知之氏

山田未知之(やまだみちゆき)

私塾界/全国私塾情報センター 代表取締役社長

1977年、埼玉県生まれ。30年超の歴史を誇る塾業界のトップ専門誌『月刊私塾界』を発行する、株式会社私塾界/全国私塾情報センターの代表取締役社長。同誌を創刊した亡父・山田雄司氏の遺志を継ぎ、2012年10月より現職。民間教育のあり方や業界への想い熱く、全国約2,000社の学習塾のサポート役として、経営情報の提供や研修・セミナーを開催している。

全国私塾情報センターオフィシャルサイト http://www.shijyukukai.jp/

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