塾業界コラム

一流講師の条件とは<私塾界調べ>

日本の子どもは本当に内向き志向なのか?

ここ1年あまり「グローバル人材の育成」という言葉を新聞などで目にしない日はない、というくらい経済や政治の世界でもよく語られています。その理由のひとつに、海外の大学などに留学する学生が年々減っているという、大人側の危機感も見て取れます。今年2月に文部科学省が発表した調査によると、2012年5月の時点で6年連続して留学生の数が減少しているということも分かりました。大人は「もっと海外に出ろ」と言うものの、子どもは「いいよ日本で」と言うことが多いように感じます。実状はどうなのでしょうか、山田社長が語ります。

先日、面白い統計が発表されました。公益社団法人全国学習塾協会(安藤大作会長)が、全国の学習塾に通う小学生から大学生までの計2,523名を対象に、今年8月15日から9月25日にかけて行った「国際化時代」に関するアンケートです。この調査によると、有効回答の2,176件のうち、およそ73.8%の1,606名が「海外に行った経験がない」と答え、海外に行った経験のある584名のうち、およそ96.5%が家族や友人との旅行を含む1ヶ月未満の短期間で、渡航の目的は「異文化の体験」と「語学力を高める」ため、という回答が多く見られました。

[グラフ1]今までの海外経験について

[グラフ1]今までの海外経験について

ところが、「海外に出たくない」と答えたのはわずか11.3%で、そのうち海外に行ったことがない子どもの割合が91%に登ったのです。海外に出たくない理由(複数回答可)の中で多かったのは「関心がない」が39%、「費用の問題」と「怖いから」が同じ33.3%となりました。この回答理由には、諸外国に対する誤解や情報不足も要因の一つにあると考えられます。

この誤解と情報不足の部分には、教育が入り込む余地が十分あります。すでにグローバル教育に取り組まれている塾の先生にお話しを伺うと「最近は親の意識がどんどん高まって来ていますよ」といいます。まだ取り組みを始めていない塾でも、文科省が2014年の春から全国の100校を「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定して、英語力のみならず幅広い教養や問題解決力を高めていくという方針を打ち出しているため、どこの高校が指定されるのか、その高校に入学するためにはどのような対応をすればいいのか、といった問い合わせが後を絶たないそうです。

さて、全国学習塾協会の調査に話しを戻しますと「海外で働きたい」と答えた子どもが、国や地域や期間による条件付ではあるものの、56.3%で過半数を占めました。渡航の目的を見ると「自分を成長させるため」という回答が29.2%で多く、「働きたい国」として挙げたのは「先進国」が40.1%と数が

[グラフ2]将来、海外で働きたいと思いますか?

[グラフ2]将来、海外で働きたいと思いますか?

ここから考えられるのは、教育を通して海外の国々の生活様式や文化の違いにについて、まだ教育の分野でしっかりと伝えられていないということではないでしょうか。また、外国は恐いところで、留学するためには生活費も含め、たくさんのお金がかかるという認識が根強く残っているようです。

しかし「将来働いている職場から海外派遣を命じられたら従うか」を聞いたところ、「喜んで従う」「命令なら仕方なく従う」という回答を含め「従う」と答えたのは69.5%とこちらも大半を占めました。一方、「断れないなら退職する」と答えたのは、わずか5.6%。そもそも調査対象にしているのが学習塾に通う子どもたちということで偏りがあるとはいえ、これを見る限りでは子どもたちが内向き思考になっているとは言えないようです。

今回の調査にあたって集計と分析を行った、全国学習塾協会関東支部の井原大平氏は「教育においては、語学教育の見直しと、日本と世界各国の文化の違いについて教えることが必要となってくるのではないか。現在は、語学ができないから海外に行かない、海外に行ったことがないから語学ができない、というグローバル教育における負のスパイラルが働いているのではないか」と調査を通して見えてきた課題について話しています。

半数以上の子どもが海外に出たいと思っている以上、教育の立場からできることがあるのではないでしょうか。調査でも見えてきたように、海外のことを知らないのであれば、それを見て、聞かせ、やらせてみるのが一番です。先生たちも少なくとも1〜2年は海外で経験を積み、内から外ではなく、外から内を見られる視点を身に付け、そのことを子どもたちに伝えていっていただけると、おかしな先入観に囚われずに、純粋に海外で学びたい、もっと言えば国内も海外もなく学びたいところで学び、働きたいところで働くという考え方が持てるのではないでしょうか。それが本当の意味での「グローバル」なのではないかと思います。

【アンケートの集計方法と主旨】

公益社団法人全国学習塾協会に加盟する、全国の学習塾に通う小中高校大学生2523名からアンケートを収集し、「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」を、それぞれ「海外経験あり」「海外経験なし」「男子」「女子」で16項目に分け詳細集計を行った。「小・中・高・大」の属性ならびに、「海外経験」のあり・なし、「性別」の記載のなかった347件については、無効として集計から除外した。集計に当たっては、データの正確性、信憑性を高めるため「同一の場所」で「同一のルール」に基づいて「同一人物」が責任を持って集計し、全国学習塾協会の複数人のチェックを行った。

[調査期間]2013年8月15日〜2013年9月25日
[対象]全国の「塾に通う」小中高校生。及び卒業生等を含めた大学生以上。
[集計分析期間]2013年9月10日〜2013年10月10日

文責:私塾界/全国私塾情報センター 代表取締役社長 山田未知之

プロフィール

山田未知之氏

山田未知之(やまだみちゆき)

私塾界/全国私塾情報センター 代表取締役社長

1977年、埼玉県生まれ。30年超の歴史を誇る塾業界のトップ専門誌『月刊私塾界』を発行する、株式会社私塾界/全国私塾情報センターの代表取締役社長。同誌を創刊した亡父・山田雄司氏の遺志を継ぎ、2012年10月より現職。民間教育のあり方や業界への想い熱く、全国約2,000社の学習塾のサポート役として、経営情報の提供や研修・セミナーを開催している。

全国私塾情報センターオフィシャルサイト http://www.shijyukukai.jp/

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