塾業界コラム

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どう変わる? 大学入試

さる10月31日、教育再生実行会議が「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」第四次提言をまとめ安倍首相に提出しました。そのなかでは、現在の大学入試センター試験に変わる、「複数回受験」と「段階別評価」を柱にした新たな共通テストの創設を掲げています。今回は高校教育の先生方にこの第四次提言に関する所感を伺ってまいりましたので、その内容をお伝えいたします。

教育再生実行会議による第四次提言では、知識偏重から脱却し、人物重視にシフトした新しい大学入試テストの創設が掲げられています。「達成度テスト」(仮称)と題されたその新しい入試制度では、難易度別に「基礎」と「発展」の2つのレベルを設定。

基礎レベルでは高2の夏、高3の夏にテストをおこない、高校での基礎的な学習到達度をチェックします。そしてこの基礎レベルの試験結果を推薦入試やAO入試に活用することで、実質上、学力不問となっている現状を改めようというのが狙いです。

一方、大学入試センター試験に変わるものとして想定されているのが発展レベルです。発展レベルが現在のセンター試験と大きく異なるのは、複数回受験できるという点。年に1回の場合とは違い、受験生へのプレッシャーを緩和することになるでしょう。もう一つ大きな違いとなっているのが、テストの判定方法です。現在おこなわれている1点刻みの合否判定を改め、発展レベルでは5〜10の段階別に評価。そして大学ごとに実施される2次試験では面接や論文などに加え、ボランティアやスポーツといった活動なども考慮させることで、人物重視の選抜をおこなおうというものです。

早くても5〜6年後の導入を見込んでいるこの達成度テストは、グローバル人材の育成に向けた大学改革の柱となるものとして期待されています。ただ、今回の提言では大枠を示しただけに留まっており、出題内容や科目数、実施体制といった詳細については述べられていません。今後はどういった内容で実施されるのか、注目したいところです。

学校関係者はどう捉えているのか

今回の第四次提言を、各学校や予備校、塾はどう受け止めているのでしょうか。私塾界では、インタビューや書面によるアンケートを緊急で実施。その結果、貴重なご意見が寄せられましたので、その内容を抜粋してご紹介します。

国際バカロレア・日本アドバイザリー委員会委員でもある、海城中・高の教頭の中田大成氏は「知識偏重」「人物重視」という表現は誤解を招きやすいが今後も知識の獲得は必要である、とコメント。さらに、人物評価をはじめから不公平とするのはいささか問題であり、国際バカロレアといった欧米のテストでは人物評価をテクニカル上可能にしている、といった意見を寄せてくださいました。

開成中・高の柳沢幸雄校長からは「いままでのセンター試験の何が不十分で、どこに間違いがあったのかをきちんと検証すべき」という厳しい声も上がっています。また、現在の入試は決して知識偏重ではないばかりか、人類が長い年月をかけて培ってきた「知」は今後も大いに学ばなくてはならないという考えを明らかにされました。

同様の意見は河合塾からもあります。「コミュニケーション能力、課題発見・探求・解決能力は獲得した知識の活用があってこそ身につく力。それを軽視し、表面的なパフォーマンス能力を重視するような考え方には異論を唱えざるを得ない」。

駿台予備校からは「入試が学習指導要領に準じておこなわれていることを考えると、まずは高校で何をどこまで教えるのか、学習指導要領の改定の見直しをおこなうべきでしょう。さらに今回の入試制度改革をいい機会として、さまざまな選抜方法について本音で議論してほしい」との意見が寄せられました。

また、11月11日には「民主党 塾教育を考える議員連盟 緊急勉強会」という会が開かれ、そこでは内閣官房 教育再生実行会議担当室長 高橋道和氏が次のように語っています。「一部では、今後は学力よりも人物がメインになるという報道がされていますが、今回の改革は決して学力の軽視ということではありません。学力も重視しつつ、それに加えて多面的な評価をしてほしいと思っています。さらには、高大連携をこれまで以上に進めていっていただきたい。そして大学や高校の負担は相当なものになるとは思いますが、ここで改革をおこなわずしては、これ以上前に進むことはできないのです」。

入試制度の主人公は子どもたち

自民党が政権を取り、今回のような入試制度改革がおこなえるようになったということは、新たな教育方針へと舵を切るいいチャンスであることは間違いないでしょう。いま教育を変えなくては、今後の日本のさらなる発展は望めないかもしれません。

しかし多くの学校関係者からコメントが寄せられたように、これまでのセンター試験のどこに問題があったのかという検証と、入試制度を改革することによってどういう人材を育てたいのかという明確な目標なくしては、今回の改革は小手先のものに終わってしまうのではないでしょうか。

そして大学入試の主人公であるのは大人ではなく、子どもたちです。この入試改革が彼らのことを第一に考えたものでなくてはなりませんし、子どもたちの成長をよりよく育むものでなくてはなりません。そのためにも、政府や関係者には徹底的に議論を重ねてもらいたいものです。

文責:私塾界/全国私塾情報センター 代表取締役社長 山田未知之

プロフィール

山田未知之氏

山田未知之(やまだみちゆき)

私塾界/全国私塾情報センター 代表取締役社長

1977年、埼玉県生まれ。30年超の歴史を誇る塾業界のトップ専門誌『月刊私塾界』を発行する、株式会社私塾界/全国私塾情報センターの代表取締役社長。同誌を創刊した亡父・山田雄司氏の遺志を継ぎ、2012年10月より現職。民間教育のあり方や業界への想い熱く、全国約2,000社の学習塾のサポート役として、経営情報の提供や研修・セミナーを開催している。

全国私塾情報センターオフィシャルサイト http://www.shijyukukai.jp/

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